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建築コラム

基礎工事の重要性と長期優良住宅の仕様

高気密・高断熱・高耐震の快適で丈夫な家を作るためには基礎工事は非常に重要な工程です。
基礎工事がしっかりしていることで、建物全体の荷重を地盤に伝え、地震災害だけではなく、風災や雪災から建物を守ります。
今回は基礎工事の重要性と長期優良住宅の基礎工事について解説いたします。

まずはココカラ!建築コラム:長期優良住宅とは?

基礎工事における根掘り工事終了時の状況

1. 基礎工事の役割と重要性

基礎は、建物の荷重を地盤に均等に分散させることで、建物の安全性を確保します。
また、地震や風といった外部の力から建物を守る役割も果たします。しっかりとした基礎があって初めて、建物全体の耐久性が高まります。

2. 長期優良住宅の基礎仕様

長期優良住宅とは、長期間にわたり安心して住み続けられる高品質な住宅のことを指します。
特に基礎の仕様には厳格な基準が設けられており、これらを満たすことで建物の長寿命化が図られます。

基礎工事における配筋設置終了後の検査

2.1 劣化対策

長期優良住宅の基礎では、劣化対策等級3+α(国交省ページ)が求められます。

  • 基礎高さ: 地盤から基礎上端までの高さを400mm以上とし、建物を湿気や水害から守ります。
  • 点検口設置: 床下の点検が容易に行えるように、基礎の各区画に人通孔を設けます。
  • 防腐・防蟻対策: 土台には防腐・防蟻薬剤処理が不要なヒノキを使用します。

2.2 耐震性

耐震性は等級2以上が求められます。これは、建築基準法の1.25倍の地震力に対して倒壊しないことを意味し、極めて稀に発生する地震でも継続利用が可能な耐震性を有します。
具体的な対策には以下が含まれます:

  • 構造計算: 構造計算ソフトを使用して、建物の強度と安全性を確認します。
  • 地盤調査と改良: スウェーデン式サウンディング試験や表面波探査法などで地盤の状態を確認し、必要に応じて柱状改良を行います。

2.3 維持管理・更新の容易性

維持管理と更新の容易性も重要な要素です。これにより、建物の長寿命化が実現します。
具体的な対策には以下が含まれます:

  • 床下点検口と天井点検口の設置: 床下や天井の配管点検が容易に行えるよう、各所に点検口を設置します。
  • 基礎内配管方法: 設備配管は基礎内で分岐したさや管ヘッダー方式を採用し、メンテナンスが容易です。
基礎工事における型枠工事終了ごの状態

3. まとめ

基礎工事は建物の安定性と耐久性を左右する重要な工程です。
特に長期優良住宅では、劣化対策、耐震性、維持管理の容易性など、厳格な基準が設定されています。これらの対策を講じることで、次の世代、また更に次の世代にわたり安全かつ快適な住環境を住み継いでいくことができるようになります。

基礎工事の重要性を理解し、適切な施工を行うことで、住宅の価値を大きく向上させることができます。